2024/01/31 21:50

VENTIQUATTRO(ヴェンティクワットロ)とはイタリア語で数字の24。1日は24時間。24時間を大切に。24時間どこでも楽しくワインを。様々な想いを込めましてVENTIQUATTRO(ヴェンティクワットロ)を屋号としました。
大好きなイタリアへの想いで、私の姓である西舘の西(24)を取ったのが一つの理由だったりもします。
ワイナリー起業を目指し始めた当初、ワインはぶどうの質が8割と学んだものの、既存のワイナリーやワインぶどう栽培家の方々から良質なぶどうを私のような素人に売ってくれる事は無いのだろうと思い、自分で栽培をするしかないと決意。
世界中の様々な品種のワインを飲み勉強をしていた中、イタリアンレストランのソムリエから勧められたのが南イタリア赤ワイン「タウラージ(アリアーニコ)」で、一口飲んだその瞬間に深い感銘を受け、アリアーニコの虜になりました。そしてワインを造るならアリアーニコだと決意しました。須坂市でアリアーニコを栽培されている方との運命的な出会いがあり「自分なりに美味しいワインが造れたら」と2018年夏、会社員を辞めアリアーニコを主軸としたワインぶどう栽培家とワイナリー起業を目指して2019年4月に東京から長野県須坂市に移住しました。
また2018年8月に長野県高山村は角藤農園の農場長、佐藤宗一氏と知り合い、収穫のお誘いをいただき数週間、泊りがけでお世話になる事が出来ました。その時、佐藤宗一氏は毎晩の様に無知だった私にワインや栽培、ワイナリー起業の難しさについて熱く語ってくれました。移住してからも数えきれないほど議論しながら飲み明かした日々、一緒にいれば息子の様に可愛がってくれました。
2018年10月末に訪れたイタリアのワイナリーで、晩成種のぶどうは葉が紅葉し始めてから収穫していると学び、佐藤宗一氏に「紅葉し始めたぶどうでワインが作れたら」と相談したところ、「角藤農園のぶどうはワイナリーの仕込みに合わせて出荷したら終わりだから紅葉したぶどうを収穫したことは無いな。それに晩成種で赤く紅葉するのはカベルネ・ソーヴィニョンだ。面白いな!やってみろ!」と角藤農園での栽培許可をいただき、2019年の春から自分なりの考えで栽培がスタートする事が出来ました。長野県高山村近郊でカベルネ・ソーヴィニョンの収穫は10月中に行ったりしますが、カベルネ・ソーヴィニョンの葉が赤く紅葉し始める時期を待ち、少しでも熟したぶどうをと、2019年は11月7日、2020年は11月12日、2021年の11月8日に収穫を実践出来ました。
しかし2020年は農園のする防除のタイミングが合わず、ベト病に悩まされ、葉の生育が悪い年となりました。 糖度の上りを期待し、収穫を引っ張りはしましたが熟しが甘く青さの残る味わいに仕上がったと感じています。ワインはぶどうの質が8割と学んだ通り、味わいに出るのだと実感しています。 「熟したぶどうでワインを造る」を心掛け、目指していますので悔いは残りますが、これもヴィンテージの面白いところだと思います。
2021ヴィンテージの話となりますが2019年、2020年とは比較にならい、とても良質なぶどうが出来ましたのでグレートヴィンテージになるのでは⁉と期待を寄せています。

本当であれば1番最初にこのワインを飲んで欲しかった角藤農園の農場長 佐藤宗一 氏は大変、悲しく残念な事に、2021年8月6日に急逝されました。
恩師に飲んでいただき、お世辞でも美味しいな!頑張ったな!と褒めて欲しかった。もしくは美味しくないな、まだまだだな、もっともっと頑張れ!と貶して欲しかった。
故 佐藤宗一氏に少しでも熟したぶどうのワインが造れたらと相談した事がきっかけとなり、ぶどう栽培の研修中から独立農家となった今も角藤農園の圃場内でカベルネ・ソーヴィニョンとメルローを合わせて10aほど栽培管理の許可をいただけているのは私にとって恩師の賜物です。
この様なストーリーで生まれたワインです。無名なワインではありますが少しでも多くの方にお召し上がりいただけますと幸いです。

2022年は2019年から栽培を引き継いだ長野県須坂市小河原近郊の圃場(約4aと32aの畑)で栽培したシャルドネ、メルロー、サンジョベーゼ、カベルネ・ソーヴィニョンをブレンドしたワインが出来上がり、2023年の初春に白ワイン(メルロー主体のブラン・ド・ノワール)、初冬には赤ワインをリリースしました。
(2023年から新圃場をメインとするため、2つの圃場は返却したため記念のワインとなります)

2021年、新圃場(長野県須坂市仁礼町に1.8ha)にはアリアーニコ(イタリア品種)をメインにモンテプルチアーノ(イタリア品種)、サンジョベーゼ(イタリア品種)、メルロー、カベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワール、シャルドネを植樹しましたので2023年から少しずつ収穫も出来るようになって来ました。

醸造研修先は2019年から2022年をドメーヌ・コーセイ(長野県塩尻市)およびカンティーナ・リエゾー(長野県高山村)。2023年からメルシャン椀子ワイナリー(長野県上田市)で勉強中です。
新圃場で収穫出来たぶどうで新たなシリーズのワインをリリース予定です。
また数年後には圃場の上に畑が見渡せるイタリアはカンパーニヤ州の品種に特化したワイナリーの設立を目指しています。
今後とも宜しくお願い致します。

VENTIQUATTRO
西舘 裕徳